学生が会社を選ぶということではなく、会社が学生を選ぶということを早く理解したほうがよいと思う。会社を選ぶ自由があるんだ。という勘違いは早くあきらめたほうがよい。ゆとり世代は自由を主張する傾向があるし、これまで親の庇護のもとで自由を満喫してきたと思う。しかし、就職活動という自分の本当の力を査定されることになり、このことに戸惑いを受け、へこむ学生が多い。会社を選ぶ自由はあるのではなく、内定を取れた企業から選ぶ自由があるということを早く気がついた学生ほどよい企業に就職していた。

来年4月から、ゆとり教育を受けた大卒新入社員が入社してくる。“ゆとり世代”とは、ゆとり教育を受けた1987年度生まれ(現在21歳)以下からで、高卒、短大卒はすでに社会にでている。今年4月、入社した“ゆとり世代”が就職の際に重視したことが「企業風土」よりも、「給与水準」「企業規模」を優先していたことなどが、産業能率大学の分析で分かった。

 ゆとり世代が、就職先を選ぶ際に重視した1位と2位は、「仕事内容」と「業種」で、3位が「所在地」、4位が「給与水準」、5位が「企業規模」となっている。22歳以上でも、1位と2位は同じだが、「企業風土」が約47%で3位に入っていた。これが、ゆとり世代ではわずか15%で7位。会社選びでは、企業風土より所在地、給与水準、企業規模が優先されていたことが分かった。

 一方、転職のイメージについて「キャリアアップ」か「挫折」か聞いたところ、「キャリアアップ」(52%)と「挫折」(48%)が拮抗した。22歳以上ではこれが「キャリアアップ」(75%)、「挫折」(25%)となっており、ゆとり世代が転職を挫折と捉える傾向がでている。

 最近の各種調査でも、若年層の安定志向の高まりが指摘されているが、ゆとり世代がチャレンジでもある転職を避け、できるだけ同じ会社で働こうとする姿が浮かび上がってきた。


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