就職(内定)率のマジック


就職(内定)率

計算式
就職決定者数÷就職希望者数

就職を希望している人のうち、どれだけの人数が就職したか(または、内定をもらえたか)という割合。

あくまで就職を希望した人数に占める就職決定者の割合であり、例えば①進学、②留学、③ニート、④フリーター、⑤公務員浪人に至る人の数が母数に反映されていないため、注意する必要がある(特に文部科学省が④と⑤を分母から外して計算しても良いと認めた2001年以降)。また、複数の就職先から内定をもらったケースをそのまま単純合算し、就職率が100%を越える、と喧伝する学校もある。大学や専門学校などがパンフレット等の対外資料に就職率を載せている場合、こちらの数字の場合がある。

教育学部については、教員の採用内定時期が一般企業と比べて遅いことと、近年臨時採用を経た後、新規採用する都道府県が増えているため、就職(内定)率は低めである。

個人情報保護法の影響で、有名企業から内定をもらった場合でも大学に報告をしない学生も増え続けており(特に大学の助けを借りずに内定を取った意識の強い学生)、就職(内定)率がどこまで信用していい数字かどうかという問題がある。

公的統計では、「大学等卒業予定者の就職状況調査」や、就職を希望する高校生の就職率を調査した「高校・中学新卒者の就職内定状況等」がある(内容は若干異なるが、いずれも厚生労働省文部科学省で各々出している)。


私立大学のパンフレットを見てみると、どこの大学も、就職内定率が100%近い数値を掲載している。
おそらく98.8%、97.3%などとなっていることが多いのではないかと思う。


上の計算式をよく見てほしい。
分母が就職希望者数となっていることを注目。
分母は就職希望者数。

大学院を希望する人は、この分母に入っていない。
就職を希望していない人は、この分母に入っていない。

就職を希望していない人とは、どのような人かというと、
たとえば

  • フリーターをはじめから希望している人
  • 専門学校に入学して専門技術を身につけたい人
  • 留学を希望している人
  • 研究生として大学に残る人

などがあげられる。

つまり、年度末になると、就職を担当する大学のセクション(就職課など)は
内定を取れていない学生に対して、留学の斡旋、研究生の手続き、専門学校の斡旋などの
アクションを行いだす。

このような努力によって、分母は意図的に減らされて、就職内定率の100%近い数字を作り出す。


パンフレットを鵜呑みにしないでください。からくりがあります。