事業仕分け、教員給与「国庫負担」減額求めず

高校の教員給与は削減なし。ほっとしました。

政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)は25日、東京・市ヶ谷の国立印刷局職員用体育館で、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」を行い、公立小中学校などの教員約70万人の給与に充てる「義務教育費国庫負担金」(約1兆6380億円)の減額を求めないことを決めた。

 判定は、〈1〉教育委員会からの調査・報告などの事務を減らす〈2〉国と地方の責任のあり方を抜本的に見直す――の2点に関する「見直し」となった。この日は計10事業を「廃止」「予算計上見送り」と判定し、「予算削減」も含めて少なくとも約243億円の削減を決めた。

 同負担金の概算要求は、教員5500人の増員を盛り込んでいる。教員給与は国、都道府県、市町村が3分の1ずつ負担しているが、仕分け人からは国の負担を増やすよう求める意見が相次いだ。

 教育関連ではさらに、全国学力・体力テストについて「抽出率が高すぎる」として対象をさらに絞るよう求めた。高校奨学金では、「高校授業料の実質無償化」との関係を整理することが必要だとした。86の国立大などの教員・職員給与や施設の経費などに充てる国立大学法人運営費交付金については、コスト削減など経営改善努力の余地があるとして、「あり方・位置づけを見直す」とした。

 また、国連開発計画(UNDP)など外務省の国際機関への拠出金について、国際機関を通じない既存事業との重複を避け、できるだけ民間に委ねるため「見直すべきだ」と判定した。

 このほか、温室効果ガス削減に向けた環境省の事業が、相次いで「廃止」と判定された。そのうち、ヒートアイランド対策として都市部の建物で屋上緑化や壁面緑化を行う民間企業に費用を補助する「クールシティ中枢街区パイロット事業」は、「効果が不透明だ」と指摘された。
(2009年11月25日20時47分 読売新聞)