静岡県内大学生 就職内定率55% 下げ幅最大

12/03 07:57
 来春卒業予定の県内大学生の就職内定率(10月末時点)は55・1%で前年同期より11・4ポイント悪化し、下げ幅は統計の残る1999年度以降で最大だったことが2日、静岡労働局のまとめで分かった。本年度の県内大学生の就職内定状況が、具体的な数字で示されたのは初めて。内定率は2003年度の54・6%に次ぎ、過去2番目に低く、10月1日現在の全国平均62・5%も下回っている。
 就職活動が最終盤を迎えた10月末時点でも、半数近くの大学生が内定を得ていない実態が浮き彫りになった。昨秋以降の深刻な経済危機で企業が新卒採用を絞り込み、「就職氷河期の再来」も懸念されている。
 静岡労働局は「高校生と同様に求人が大きく落ち込み、情勢は厳しさを増している」(職業安定課)として、引き続き求人開拓に努めて積極的に情報を学生側に提供する方針。
 調査は県内の大学14校、短大7校、専門学校15校についてまとめた。短大生の内定率は29・7%(前年同期比6・5ポイント減)、専門学校生は47・1%(前年同期比20・0ポイント減)となり、ともに過去最低水準に陥った。
 大学生の就職希望者は6361人で、うち内定決定者は3507人。性別の内定率は男子53・3%(前年同期比12・1ポイント減)、女子57・6%(同10・4ポイント減)だった。
 一部で内定取り消しなどが問題となったものの、昨年度の最終的な内定率(3月末時点)は大学生94・8%、短大生92・8%、専門学校生95・6%と高水準で推移した。本年度は状況が一転し、就職先が決まらないまま卒業する学生が大量に出る恐れが出ている。
 年明けから活動が本格化する2011年春卒業予定者の就職戦線についても、「厳しい状態が続く」との見方が強い。県内の大手自動車部品メーカー社長は「徹底的な合理化で、利益が出せる体質に転換したばかり。最大の固定費である人件費の増大につながる採用には、慎重にならざるを得ない」と話している。