論文データ捏造、東北大が助教を懲戒解雇

東北大大学院歯学研究科の教員が、論文のデータを捏造(ねつぞう)したり改ざんしたりしていたとして、同大は4日、中心的に関与した上原亜希子助教(40)を懲戒解雇処分にしたと発表した。

 上原助教らを指導した高田春比古教授(59)と菅原俊二教授(51)もそれぞれ停職3か月、同1か月とした。

 発表によると、上原助教は2006、07年に発表した口内の免疫に関する論文に、自分が過去の論文に掲載したグラフや画像のデータを新たなデータに装って使い回したとしている。教授2人はデータの信頼性を十分検証しないまま上原助教と連名で論文を発表した。

 同大の調査で、上原助教は大学院生だった01年からデータを使い回していたことが判明している。上原助教は「使い回しはない」と大学側に否定しているが、同大が求めた実験の証拠となる元データが提出されなかったことなどから捏造、改ざんにあたると判断した。
(2009年12月4日20時35分 読売新聞)