「知の拠点、予算確保を」 北海道内7国立大学長が共同声明

政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、科学技術研究などの予算の廃止や大幅縮減が相次いだことを受け、北海道内の7国立大学学長は2日、札幌市の北海道大で記者会見し、来年度予算で大学予算の確保を求める共同声明を発表した。7学長がそろって記者会見するのは極めて異例だ。

 声明では、7大学に対する運営費交付金が、5年間で計73億円減少している現状を踏まえ、「大学予算の縮減は、国の知的基盤、発展の礎を崩壊させる」とし、「知の拠点」として重要な役割を果たしていくためには、十分な予算の確保、充実が必須であるとしている。

 事業仕分けにより、北大、帯広畜産大と室蘭工業大の3大学が、それぞれ20億円、5億900万円、2億6900万円程度、予算を削減される可能性があるという。

 記者会見では、「複数年度で予定している予算が途切れれば、博士研究員などの若い研究者の将来が失われてしまう。人材育成の面でも非常に問題だ」(佐伯浩・北大学長)、「予算の削減で地方の国立大学が疲弊すると、教育機会の均等がはかれなくなる」(山本真樹夫・小樽商科大学長)などと厳しい声が相次いだ。
(2009年12月3日 読売新聞)